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2017/09/24 01:35 |
カメラ小僧をやめた理由
私はずっとカメラ小僧だった。
小さい頃からカメラが好きで、
家族や友達や犬や猫や鳥や、好きなものを撮るのが好きで。
花のみちで「入り出」を撮りはじめたのはその延長。
学生時代は入り浸ってお稽古入りするスターさんをよく撮っていたものだ。
大人になってからも、退団者の最後のパレードだけはファインダー越しに見送るのが私の「儀式」だった。
何年も、ずっとそうやってきた。

そんな私がカメラを下ろしたのは彩輝直サンのさよならを見送った時だった。
彩輝サンは、大劇場の門を出る最後の一瞬、ファンを振りかえった。
その、微笑み。
綺麗すぎた。
まぶしすぎた。
幸せな光がいっぱいで、まぶしかったのだ。

スターはいつも舞台でライトを浴びているもの。
だが、最後のパレードでは逆だ。
光は退団者の内側から放たれる。
真っ白な光がファンのほうへむかって燦々とふりそそぐ。
・・・逆光になるのだな。

こんな光は手に負えないと思った。
私の腕前では、この輝きを撮りきることなどできはしない。
どんなに素早くシャッターを切っても、
どんなにうまく表情をとらえても、
ただ形をなぞることしかできない。
できあがってきた写真はうまく撮れていたが、もう粗い画像にしか見えなかった。
そして私よりも下手な画像を載せている新聞記事に腹を立てたりもしたものだ。

だから、もうやめたのだ。
写真を残すより、光を反射する壁となって、
拍手と笑顔で返したほうがずっといいと思ったからだ。

話は変わる。

先日、雪組サンの千秋楽を見送ったとき、必死の場所取り争いをくりひろげるカメラ小僧を何人も見かけた。
・・・ファン会のガードが崩れちゃったせいで、エライことになったのだ。
すこしでも前に出ようとする人、
隣の人を押しのけようとする人、
後列からレンズだけでも押し出そうとする人。
人は、カメラを持つとより積極的になるものなのだ。
きっと私もあんなふうだったのだろう。

やがて場所取り争いに敗れた若い女の子が、こう言うのが聞こえてきた。
 「もういいや。あきらめた。
  私は写真じゃなくて心をとるわ。
  この目でしっかり見届けるから!」
そして、その子があとで言ったのだ。
 「コムちゃん、ペガサスに乗ってるみたいだね」
と。
・・・彼女は、しっかり見届けたのだと思った。
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こんなことを言うと怒られるかな?

写真でも本でもビデオでも。
少量なら、記念の品としてとっておけるけれど。
大量に残されたものはいつか必ずゴミになります。
何十年もとっておかれる人もいらっしゃるかもしれませんが、
何十年後にゴミになる可能性も秘めています。

一方、思い出はゴミになりません。
記憶は薄れていくけれど、そのかわり、年々、美化されていくのです。

それが私がカメラ小僧をやめたもう一つの理由です。

・・・昔の写真がまだ捨てられない。
どうしましょ。
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2006/11/02 22:47 | 宝塚雑談

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